俺達のコラム |
ノーベル賞受賞者を4人(うち一人は米国籍)をも輩出したのが昨年の日本の最後のお祝い事だったですね。
受賞するのが決まってから最も話題を集めたのは、その朴とつとした人柄「職人気質」という言葉がぴったりの益川教授です。
「英語が苦手」「海外に行った経験なし」よって「パスポートもない」という昨今の日本の生活環境では希少価値の高い数々のエピソードの持ち主です。
益川氏は堂々と「英語ができなくても物理はできる」とし、「英語による講演を求められたら?」と記者から質問を受けると、冗談混じりに「(ノーベル賞を)返す」と答えたほどでした。
この発言やニュースは、「英語コンプレックス」に悩まされている方々にとっては、「そ〜ら見た事か」とスッキリ胸のつかえが下りたような出来事だったかも知れません。
授賞式では王立科学アカデミーの代表が、日本語で業績と賛辞を述べている姿がTVで放映されました。この方は大変な時間と労力をかけて日本語の発音・リズムなどを練習したに違いありません。素晴らしい演出でしたしそれ以上にその傑出した努力に賛辞と大きな拍手を送ります。
さて授賞式も重要ですが、私には式後の晩餐会に興味があります。
その規模、その事前準備の周到さ(晩餐会の準備を特集した番組を見て驚いた)は凄いものです。
「夕飯」はよく採りますが「晩餐」と呼べるようなものに我々は一生に一度遭遇するかしないかですね。ましてやスウェーデン国王や王妃が同席する「ノーベル賞晩餐会」は夢想だにしないことです。英語がしゃべれない益川教授にはシルビア王妃の横に座ることは残念ながらなかったようです。英語が出来る小林教授が王妃の右隣にすわっていました。
さて、授賞式後の益川氏の英語に関する考えは大いに変わりました。
「異例だ」と言われてしまった日本語での記念講演を終え、「世界の人に情報を発信するつもりなら、英語が話せなければ科学者としては半人前」「科学者ですから、世界中の人間とコミュニケートしないと。英語がしゃべれたら、できたけど」と発言したのを皆さんも新聞やTVでお聞きになったかも知れません。
そして英語がしゃべれたら晩餐会でもシルビア王妃の横に座りスウェーデンの事や日本の事、過去に行った印象深い旅行や場所の話に花が咲き、自身の実験や発見の秘話を話せていたに違いありません。話が盛り上がって固い握手があったかも知れません。
もし授賞式でのアカデミーの代表がやったあの日本語の様に、益川氏が「シルビア王妃とスウェーデン語で話そう」と決意し、練習し、仮にそのスウェーデン語で書かれた練習メモを読みながらでも「スウェーデンは素晴らしいですね」と自分の言葉と表現で自分の口を使って伝えていたら日本とスウェーデンの両国関係は今後100年固いきずなで結ばれたでしょう!
言葉は、しょせん話を伝達する道具です。
でも道具の使い方を知れば我々がサルから進化したように随分と世界は広がるものです。
さてそんな思いをはせながら、益川教授に関する一般紙のウェブ版記事を2〜3集めましたのでご参考にどうぞ!
2009/1/12 著者: Sunny's English Square 佐藤明雄 >>> Sunny's English Square Web Site |
晩餐会と英語とシルビア王妃(Sunny's English Square)
http://www7b.biglobe.ne.jp/~sunnysquare/ses/column_files/c17.htm
上のURLにも掲載しております。
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