ベイタウンの唯一の科学研究機関
- 第2話 -   出演:ゲソ博士 聞き手:助手のザクソン

テーマを考えること、それが科学だ
ザク:ゲソ博士、ご無沙汰しております。と、言っても2日ぶりでした。前回の対談は結構好評なので、なんとかシリーズ化が決まりました。
ゲソ:そうか。読者からなにか研究テーマを頂戴したのかしらん。この2日間、麻雀ばっかりやってたから、すっかりホームページをチェックするのを忘れていたよ。
ザク:残念ながら、その手のメールは誰からもがありません。
ゲソ:それは残念だ。まあ、しゃあないやろ。研究テーマはぎょうさん(たくさん)あるから、適当にやるか。
ザク:おや、博士は関西人でしたか。
ゲソ:知らなかった?関東に来てからだいぶ年数が経ってるからなあ。
ザク:えせ関東人だったんですね。どっちかっていうと東北人のような雰囲気だったのですが。
ゲソ:ザクソン君、君は東北に対してなにか偏見でも持っているのか?まあ、出身地なんてどうでもいい話。さ、お題に行こう。

何を研究するかで科学者の一生が決まる
ザク:ということで、どなたからも研究テーマを頂けなかったので、本日の研究はこちらのほうで、考えさせて頂きます。それではゲソ博士から研究のテーマの発表です。
ゲソ:うむ。特にテーマを用意しなかったんでな。じゃあ今日は「テーマを考える」っていうのはどうだろう。
ザク:研究対象のことですね。
ゲソ:そう。このシリーズが今後何を考えてゆくか、という最も基本路線だな。
ザク:なるほど。研究材料はそこらじゅうに転がっているような気がしますね。
ゲソ:科学者にとって、研究テーマは重要だ。一旦それに取り掛かってしまったら、一生の仕事になってしまう。うっかり、間違った仮説を立ててそれが論証出来なくなってしまったら、それこそ一生を棒にふってしまうわけだ。
ザク:無駄な人生だったということですね。
ゲソ:そうは言わん。間違った仮説を立て、それが間違いだと論証できれば、それはそれで立派な科学だよ。考えるプロセスも意義のあることだ。それだけに、取り組み甲斐のあるテーマの選択が重要なんだよ。まあ、このシリーズで取り上げるテーマは庶民的に、日常関わっている問題になってしまうだろうけどね。
ザク:そうですよ。あんまり難しいのは勘弁してください。

まず対話してみよう
ゲソ:君は科学の最も重要なことはいったい何だと思う?
ザク:そうですね。疑問を持つことでしょうか。何故地球は丸くて、何故太陽は西に沈むとか?
ゲソ:何に対しても疑問を持つことは確かに重要で、そこから科学が始まる。しかし、その前に必要なものは?
ザク:その前に、と言われても。そうですねえ、疑問を持つ以前に必要なもの。
ゲソ:対話だよ。対話。自然界にある全てのものが独自の言語を持っている。まず、研究対象と会話してみる。
ザク:独自の言語というのは?
ゲソ:生き物だけに言語があると思ったら大間違いだ。物質にもそれぞれ固有の言語がある。良く物を眺めていれば、自ずと会話が出来るのだ。
ザク:難しいですね。例えば、ジャイネで売っているネパールの岩塩などを見て、「まあ、まあ、太古から地面の下でたいへんでしたね。」なんて、語りかけるんですか?
ゲソ:その通り。語りかけてみれば、向こうからも必ず応答がある。
ザク:なるほど、よく観察しなさい、ってことでしょうか。
ゲソ:そう。色はどうだ、臭いは、重さは、などだな。しかし、それだけじゃないぞ。物質からは色々な信号が出ているんだ。
ザク:分子には固有の振動数があるというやつですね。ベイタウン・うすらば研究所のゲソ博士
ゲソ:そう、それだ。人間には聞き取れない周波数だが、あたかも喋りかけてきているような気がしないか?。
ザク:対象物が語りかけてくる。素晴らしいセリフですね。
ゲソ:例えばだな幕張の浜に行って、目を閉じて素直に自然の音に耳を澄ませてみたまえ。人工の浜でも自然の語りかけがいろいろ聞こえてくるぞ。風邪の音、波の音、鳥の鳴き声、自然界の音と会話することがまずスタートラインだろうな。。
ザク:うーん。ロマンチックな感じもしますけど、何か宗教っぽくないですか。
ゲソ:例えばだ。遠く銀河系の果ての星が電波を発している。周期的に電波が強くなったり弱くなったりする。あたかもモールス信号のようだ。ここに星がありますよ、と知らせてくれているように思えないか?
ザク:宇宙を語ると最終的には結局宗教に行ってしまうんじゃないですか?まず神がありき、っていう話になっちゃいますよね。そういうのって、分からないことを全て神の仕業にしてしまう、狡いやり方のような気がしてならないんですが。
ゲソ:確かに、これだけ科学が発達しても解明していないことはあらゆる分野である。だからと言ってそれらが神の仕業と一括りにしてしまうのは非常に非科学的である。もちろん、宗教も科学の一つだと考えられるので、いずれこのシリーズで取り上げてもよいが。
ザク:なるほど。よく分かりました。

さあ、あなたも研究テーマを考えてみましょう
ゲソ:イントロが長くなってしまったな。さて、当研究所で取り上げるのは、どんなテーマが良いかな?ザクソン君はどう思う?
ザク:そうですねえ。ベイタウンのホームページだから、ベイタウンに因んだものがいいと思うんですね。前回、いきなり「永遠の命は?」みたいな企画だったから。
ゲソ:例えばどんな?
ザク:最近話題になっている交通問題はどうでしょう。「ベイタウンの交通問題を科学する」という感じで。
ゲソ:交通の問題ねえ。路上駐車の件は深刻だからねえ。それはいいかもしれないね。利害関係が絡むかもしれないが、みんなが幸せに解決できる手段を考える。ほかには?
ザク:「ベイタウンに住む生物を考えてみる」というのは?
ゲソ:どうも生物というのは実は得意じゃない分野なんだ。西の街には生物の先生もいて、やりにくいしなあ。
ザク:そうでしたか。前回のテーマだと、その路線で行くんじゃないかと思ってましたが。「ベイタウンにきちんと育つ木の研究」も駄目かなあ。グリーンサムというボランティア団体が、その辺りの研究をしているからまさに良いテーマだと思うんですけどね。
ゲソ:それはもうちょっと先にやろう。
ザク:じゃあ、「ベイタウンに住む人間の心理学」というのは?
ゲソ:駄目、駄目。つまらなすぎる。第一、東の街には心理学の博士が住んでいる。
ザク:つまらい、ですか?難しいですな。面白いものって、いったい?
ゲソ:例えば、ギャンブル。私はこう見えてもパチンコが得意でな。がはは。この前も14号沿いのヤスダで2万円勝った。あそこは換金率がいいからね。ジャイネの順ちゃんも行ってるな。私は3回も会ってしまった。
ザク:最近、出ないって言ってましたよ。以前はご夫婦で出かけて、景気の良い話もしてたんですけどね。しかし、パチンコはテーマとしてどうかなあ。あんまりパッとしないような気がしますよ。ベイタウン住民でパチンコする人って聞いたことないし。
ゲソ:だから駄目なんだ。パチンコに負けた後に襲ってくる何とも言えないあの侘しさ。特に冬の寒い日、電車賃以外全て使い果たして表に出た時、襟元からすーっと入ってくる北風。あれは哲学だね。

ギャンブルも、まあ科学の範疇なんだよ
ザク:そういえば私もずーっと前ですが、パチンコにハマってたことありますね。今だったら3万円くらい持ってゆかないと満足に遊べもしないでしょうね。
ゲソ:そう。5万円使って、6万円獲るか、それとも全額やられるかの勝負になってしまった。
ザク:ハイリスク・ローリターンですね。めちゃくちゃ効率悪い。
ゲソ:だが、ある程度の腕があれば大負けすることはない。勝負勘も必要だな。
ザク:なんだか、科学じゃないような気がしますけど。
ゲソ:釘を読む、というのがあるだろう。
ザク:ええ。しかし、現在のパチンコ台はロムというか、出玉の確率はコンピュータ任せでしょう?
ゲソ:そういう部分が大半なことは確かだ。しかし、良く回る台、即ち、持ち玉が減りにくい台を見極めることが肝心なのだよ。それから、玉が打ち出されたときのいわば初速、そして反対側のクッションに当たって跳ね返ってくるスピード。どう落下して、どの釘に最初に当たって、どう弾けるか。そして、次の玉の干渉でどう動くか。風車の絡み方、これ全て力学の応用なのだよ。
ザク:そりゃ、盤上でいろいろな作用が働いて穴に入るのもあれば、そのまま下に行ってしまうのもあるでしょうね。しかし、いちいち全ての玉の動きなんて見ていられないでしょ?
ゲソ:私ごときになると、いわゆる残像を見て、ハンドルを調整している。まあ、元々動態視力は良いほうなのだが、この歳じゃな。
ザク:歳ってたって、まだ四十代じゃないですか。まだまだですよ。
ゲソ:そうか。ザクソン君も同年代だったな。その歳でホームページなんか作って遊んでいる場合ではないぞ。もっと科学せなあかん。
ザク:すみません。しかしまた変なところで関西弁になりますね。

本当にギャンブルが科学なんですか?
ゲソ:「競馬を科学する」ってのも面白い。競馬については私も相当研究したよ。
ザク:それは単に投資額が大きいってことじゃないですか?
ゲソ:そうともいう。しかしだな、競馬を馬鹿にするんじゃない。血統であるとか、馬のバイオリズムであるとか、調教方法、その他ありとあらゆるものが絡んで成り立っている。奥が深いのだぞ。
ザク:馬鹿にしてないですよ。そうですねえ、ギャンブルか。ちょっと違うけど、「宝くじを当てる」というのは?
ゲソ:まったくナンセンスだ。あれは科学じゃない。運任せ。きれいなおねーちゃんが回転する的に矢を放つという抽選方法だろ?もっとゆっくり的が回転していたら、意図的に好きな数字を射ることができるのに。
ザク:確率の科学としては語れないですか?
ゲソ:科学じゃなくて、ロマンだ。当たる確率は天文学的数字なのだが、わずかな可能性にも夢を見せてくれる。実は、今年のサマージャンボを3万円分買ったよ。まったく駄目だっtけどね。
ザク:博士なら3億円当たったらどうします?
ゲソ:私か?そうだな。当研究所はネット上だけじゃ物足りないから、セントラルパークの空き店舗で日本蕎麦屋でも開いて、併設にする。
ザク:なんかあんまり大きな夢じゃないようですが。
ゲソ:なにを言ってる。蕎麦も科学だよ。いかに美味い蕎麦を作るか、いかに美味い蕎麦を食べるかだ。これもまた科学だよ。それに、ベイタウンには研究所を作れないからね。カモフラージュだ。
ザク:セントラルパークにした理由は?
ゲソ:そりゃ、駅から近いからだよ。駅に近いのが一番。
ザク:博士はクルマ持ってないですもんね。
ゲソ:クルマは必要ないから持たない。だから女房も要らない。
ザク:ありゃりゃ。博士は独身でしたか。
ゲソ:当たり前だ。家族がいて研究が出来るか!

みなさま、テーマをください
ザク:それにしても、テーマはなかなか浮かばないですね。博士はどうですか?テーマが浮かばないと、このシリーズは打ち切りになってしまいますよ。それでなくとも俺達のホームページのコンテンツはろくなものがないので。
ゲソ:打ち切りは困る。私の存在価値は、どのくらいの方々がアクセスしてくれるかということにかかっているのだ。頼むからしっかりテーマを考えてくれ。
ザク:お好きな音楽関係は?
ゲソ:それを語らせたら、君ぃ〜。いいの?語っちゃうよ。この間もイエスを朝まで聴いちゃったからな。リック・ウエイクマン最高っ!
ザク:どうも科学という感じじゃないっすね。俺達ホームページの皆さんにお願いするしかないみたいですね。皆さん、どんなテーマでもいいですから、うすらば研究所にメールをください。ゲソ博士が独断と偏見で科学いたします。
ゲソ:ザクソン君。そんなエンディングでいいのかね?
ザク:仕方ないです。ゲソ博士。次回なにもテーマが無かったら打ち切りですからね。打ち切り。
ゲソ:それはかなわんなあ。なんとしてちょーらいっ!

2003/9/22 Oretachi's Home Page

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ドクター・ゲソ
1957年生まれ。東京○○大学卒、三流企業に勤める傍ら、「科学やってみんべよー。」というコンセプトで独自に科学の研究を重ねる。2000年、自らを科学者と名乗り独立、くだらない発明などをするが、飽きちゃったので、現在執筆活動に専念する。ベイタウン在住。大の音楽ファンで、プログレロックが大好き。磯辺の「魚よし」では必ずゲソを注文する。

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