ベイタウン中年バンドSPECIAL
PAT稲毛ライブ
出演:ミニモモ(桃家500/1)、ベイ中すきま隊
ひとりよがりなライブ・リポート
7月13日(日) 本来なら灼熱の太陽が肌を差す季節なのだが、まだ梅雨は明けそうもない。この日も朝からどんよりした厚い雲に覆われ、しかも、肌寒く今にも降り出しそうだった。案の定、1回目のステージが始まる頃にぽつぽつ冷たい雨が降りだし、野外ステージを若干後退させ、階段の下がステージになった。しかし、出演者一同のテンションは高い。ステージの始まる前の音出しは「兄弟船」だった。(笑)
「ミニモモ」はベイタウン、ベイタウンの周辺のライブにアクティブですっかりお馴染みになった「桃家500/1」のアコースティックバージョンである。メンバーはじょん吉、マッキー、watchの3人にベイ中のキーボード奏者kevin。3人でのライブは今回が初めてではないが、kevinのキーボードが加わるパターンは初めて。
さて、そのミニモモのステージは、もちろんビートルズナンバー。それも、初期のシンプルなバージョンがメインとなった。オーディエンスの話によると、ガーデンウォークのライブやドラムを入れる会の時よりも格段に良い雰囲気になっている。ハーモニーも素晴らしい。仲間が褒めるのもなんだが、どこに出ても恥ずかしくない、見事なサウンドに仕上がっている。圧巻はkevinの弾く「ノルウェイの森」のシタール。もちろん、シンセサイザーでサンプリング音を弾いているのだが、ぱっと聴くと本物の雰囲気がある。微妙にフェイズ・シフトさせる左手の妙である。桃家500/1は、ドラム担当のRingoが転勤になったことで、本来のバージョンはなかなか聴く機会が少なくなりそうだが、こういう編成も悪くない。メンバーの一人ひとりのキャラも光っていた。
ミニモモのステージが終わると、若干編成を換えて、そのまま「ベイ中すきま隊」の登場。メンバーは前述のミニモモにMSMのボーカリストであるタッキーが加わる。マッキーはここでギターを本来のポジションであるベースに持ち替える。ドラムがいないだけで、十分バンドである。
ベイ中すきま隊なんて、なんだかよく分からないバンド名だが、ベイタウン中年バンドのライブのちょっと余った時間にひょいと出てきて、ひょいと引っ込むというコンセプトなので、すき間を埋めるという意味。ベンチャー企業で言うところのニッチャーではない。本来のメンバーはタッキーとおじちゃん(私)の二人だけである。まさか、ミニモモをバックに出来るとは光栄である。おじちゃんは一度も練習に参加していないので、4、5曲のうちの1曲ボーカルで参加しただけである。
タッキーのボーカルは見事だった。MSMはオール英語なので間違えたり、歌詞の失念による曲の中断などがある(笑)が、GSや昭和歌謡がメインのすきま隊では、声量があり堂々とした歌声をいかんなく発揮した。「雨の御堂筋」はへたすると、単なる歌謡曲に終わってしまうところ、ブルース調にしてかつパワフルな感じが新鮮であった。GSもオールエレキではないのが良かった。よく見かけるビアガーデンのバンドとは一線を画す。それは、タッキーのボーカルのうまさによるところが最大のポイントなのだ。。watchのギターも素晴らしい。この人は本当に器用な人だ。演目を選ばず、幅広いジャンルで見事なリードギターを弾いてくれる。ベイ中がバンドとして動き始めた頃から比べると、より指が速くなったような気がする。常に進歩しているのだ。とても四十半ばとは思えない。 そして、エンディングは「ユア・オンリー・ロンリー」。これはおじちゃんがボーカルをやった。一度も練習していないので、直前まで歌詞を覚えようと悪あがきした。ところが、結局覚え切れなかった。(苦笑)関係者に深く、深くお詫びします。
2回目のステージでは、ミニモモの完成度は更に上がった。リラックスしていたのもある。楽しさが伝わってきた。すきま隊も良かった。前日5時間に及ぶ練習が功を奏したのだ。バッキングのミニモモもノンジャンルで繰り広げられる(ある意味、節操の無い)演目を喜んでいた。(本番前までは、いったいどうなることやら、と本人たちは思っていたらしい。) 私は、本来のベイタウン中年バンドの姿をそこに見た。GSあり、フォークあり、昭和の歌謡曲がある、選曲はセンスは置いておき、なんでも楽しくやってしまおうというベイ中のコンセプトがそこには存在していた。近所のおやじ連中が下手の横好きで始めてしまったバンド。ベイタウン中年バンドを一言で語るならば、そういうことなのだ。 ライブが終わった後に今日出演した全てのメンバーが口々に楽しかった、と言った。。またこういうステージをやってみたいものだ。
2回目のステージの最後は、勝手にアンコールということで、ベイ中のオリジナル「新検見川ブルース」をやった。ドラムがいないので、スローなバージョンにしようかと思ったが、いつもと同じテンポでやってみた。watchのソロで始まり、唄、そしてWatch、じょん吉、kevinというソロ回しでエンディング。初めてじょん吉のソロを8小節聴いた。素晴らしい。watchと対照的なギターワークであった。ベイ中には役者が揃っている。それから、今回急な思いつきなのだが、新検見川ブルースの中に唄いながらメンバー紹介をしてみた。思いつきとはいえ、我ながらなかなか面白かった。
新検見川がスタートとした時に、雨脚が強くなる。ちょうど4年前のベイタウンまつりの時もそうだった、新検見川ブルースの時に雨が降りだした。まるで、その時の再来のようだった。2年前のエコメッセの雨中のライブもしかり、ベイ中の野外ライブは雨に祟られている。しかし、それがまるでこの歌のイメージでもあるかのように雨が花を添えてくれた。そして、ベイ中のあるべき姿を提示してくれたような気がした。
2003/7/14
THANKS
PAT稲毛の関係者の方々、澤田仁香さん、ベイタウンからの応援団の皆さんに
ミニモモ&すきま・PAT稲毛ライブの様子は、ここ(桃家500/1のHP)に写真と音があります。(フォト・アルバム)
関連リンク
■ベイタウン中年バンド・公式(笑)ページ メンバー在籍3?名の怪しい集団。常になにかを求めて活動を続けるメンバーたち。バンドといっても単なる目立ちたがり屋のたまり場という噂も。
■MSM(マクハリ・サウンド・マシーン)のページ ベイ中の中からより高次元の音楽を目指す人間により結成されたバンド。大人のロック。心地好いサウンドが持ち味。
■桃家500/1のページ ビートルズの大好きなメンバーにより、結成された。ビートルズの全曲制覇を目指す。質の良さとアクティブさで、ベイタウンはもとより、近隣地区のイベントへの出演も多い。
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