一週間前くらいだったか、読売新聞の記事(編集手帳)の中で、印象に残っているものがある。「朝のラジオ体操の音がうるさいという苦情で、主催していた自治会(だったと思う)が開催を自粛した」に続き、「そういう音には敏感だが、大阪の姉妹が殺害された時、争っているような物音や悲鳴が聞こえた・・・(中略)・・・しかし、誰も警察に通報することは無かった。寛容に聞き流してほしい音と、絶対に聞き逃してほしくない音がある。」と結んでいた。記憶で書いているので、若干のニュアンスが異なるかもしれないが、おっしゃる通り!!その前にあった女子高校生が同級生の男子に殺害されたニュースでも、付近の住民が「兄弟喧嘩でもしていると思って、通報はしなかった。」と言っている。私の記憶でも、そういうケースは多い。
ま、確かに親子喧嘩や夫婦喧嘩をよくやっている家からの音は、「またかよ。」というくらいで、放っておこうと思うんだろうけどね。程度にもよるから微妙なんだろう。でも、誰かが、「これはヤバイ!」って思い、通報してくれたら、惨劇の一歩手前で済んだこともあったかもしれない。
自分の都合や好みで苦情言う人っているよね。お祭りの騒音はいいけれど、ラジオ体操の音は絶対に許さないとか。かつて、毎日演歌が流れている昔風の商店街の近所に住んでいる知人は、演歌が大嫌いだから、商店街に何度も文句を言ったようだ。すると、あるときからいかにもイージーリスニングっていう感じの音楽に変わったそうだ。それはそれでいいのだけど、町内会のご老人と一緒に飲む機会があって、そのときにご老人が、「最近、わけのわからない音楽が流れるようになったけど、私のような人間はいやだなあ。」と言ったとか。
今その商店街はどうなったかと気になったので、知人に電話して聞いてみると、まったく音楽を流さなくなったらしい。好みの音楽とかそういうレベルじゃなくて、音そのものが無くなってしまったのだ。おそらく誰かがうるさいという苦情を言ったに違いない。そういう理由で商店街で音楽を流しているところは全国的に少なくなったかもしれない。よく地方の遊園地などにゆくと、トランペットスピーカーで嫌と言うほど大音量で楽しげな音楽を流している。楽しいムードを醸し出しているのだろう。だけど、利用者にとってもうるさい。あれ、なんとかならないか。
私もバンドなんぞをやっているからロックやジャズの音は騒音として聞こえないけど、演歌がバンバン流れている居酒屋には行きたくない。ただ、そういった好みの問題と、ラジオ体操の音は根本的に違うと思うんだよね。だいたい何人の人間が苦情を言ってるのか知らないけれど、「うっせえな、もう!」って独り言で叫ぶだけでいいじゃん。街の音がまったく無いってのはつまらないと思うんだよね。もうちょっと寛大になりましょうよ。それから、中年おやじのロックにも寛大になって!(笑)
冒頭に戻るけど、SOSの発信にはもっと敏感になろうぜ。 |