あまり天気も良くなさそうだし、と思っていたら昼前には太陽さえ出てきた。いや〜、ついてる。ちょっと雲が多いけど。で、まず、(そば工房の取材などの)仕事をやっつけてから、せっかく来たのだからと、筑波山に登ってみることにした。といっても、ふもとから登るのではない。クルマで「つつじヶ丘」というロープウェイの始発駅まで行き、そこから約1時間の行程で877mの筑波・女体山に登るのである。わくわくどきどきだ。
以前は10年前くらいに来た。そのときはどういう理由で登らなかったかは忘れたけど、頂上には立っていない。その前は遥か昔に来たのだが、それもあまり記憶に残っていない。その遥かというのは少なくとも20年以上前は確か。山頂でポーズをとる自分の姿の写真もどこかに存在している筈だけれど、はっきり覚えていない。
従って、初めて来るくらいの気持ちで歩き始めた。歩き始める頃は、夕刻。しかも、どんどん靄が出てくる。おそらく雨になるような天候。やばい。それに筑波は低山だからといって侮れない。急峻な山なのだ。1時間の行程でもかなりキツい。
天候が崩れる前になんとか頂上に行きたいので、私にしてはややハイペースで歩いた。途中、「高天原」とか、「出船入船」といった名称の景勝地があったりしたが、写真を撮っただけで、通り過ぎる。ところが、最初のハイペースが祟って、途中でかなりペースが落ちた。さすがに普段の運動不足を痛感する。頂上まであと300mで、完全に足が止まってしまった。大休止。
妻子は、とっとと私を見捨てて先へ行く。
いいのだ、いいのだ、私はゆっくりが好きなんだよ。ははは・・・・。
一旦大休止を取ると、早く頂上に行くという気力も失せてきた。息は10分以上弾んでいた。気温の割りには大汗。情けない。周辺は、どんどん暗くなってきた。後から来る人もいない。ひょっよして私が最後かも。
気を取り直した。こんなところで野宿はしたくない。気力を振り絞り、前進する。そして、そいて、なんとか16時10分頃にごつごつした岩からなる山頂に立った。写真ではわかりにくいが、物凄くスリリングなのである。 |