Nackyのコラム Vol.13 俺達のホームページ

広告代理店勤務、ロックミュージシャン(Blue Color Union)、ベイタウン中年バンドのメンバー、2輪ライダー、数々の肩書きを持つNackyのセンスあるコラムを掲載。




孤独なネットワーク

購買意欲をそそられるモノ、若者層の欲しいモノランキング等には、必ずPCやiPhone等の通信機器が上位に含まれる。誰にでもできるような市場分析だが、要は「人と繋がれるモノ」を欲している訳だけど、それが本当の「心と心の繋がり」になるのかは、それは使う人次第。誰だって、社会的に孤立することは怖い。仮に一週間、誰からもメールも電話も何の連絡も無かったらそら不安になるだろう。

自分はどちらかというと独りの時間を大事にする方だし面倒くさがり屋なので、本当はコミュニケーションツールを持つのはウザいと思う方だが、やはり孤立することは人並みに怖い。これにはウラと過去があり、嫌なことや面倒なことがあった時に、生粋の天の邪鬼である自分は自ら周囲とのコミュニケーションを一切絶ってしまったことがあった。簡単にいえば「一人絶交状態」であり、それは単なる変人生活だった。今に思えば自暴自棄も甚だしいが、それまで築いてきたネットワークを全て捨てた結果、最初は「これで自由だぜ」と気ままに暮らしていたが、1年もすると孤独に耐えられなくなってきてしまった。精神的にも崩壊しかけたのだが、ある人に出会って救われたといえる。もう随分と前の話だけど。今でも「孤独」「死」「孤立」といった言葉に異常に反応してしまうのも、この頃の経験があるからだ。

人はとても弱い生き物なので、絶対に独りだけでは生きていけない。周囲との繋がりがあってこそ自分がある。だから、周囲への感謝は常に忘れちゃイケナイ。マジで絶対。んなこと、俺に偉そうに言われるまでもないと思うけど。孤独を自ら選びそれに恐れおののき救われた結果、すぐ感情的になりブチ切れやすかった性格が少しだけ直ったのと、自分から進んで連絡を入れたりコミュニケーションをとるようになった。それは自分がマメなのではなく、感情的で無精で面倒臭がりだからこそなのだ。

ケータイやらPCやらインターネットやらのツールを介したコミュニケーションは、顔を合わせてのコミュニケーションより、よりギブ&テイクを期待して成り立っている。つまり、こちらから何かを送れば、それに対して返事が来ることを前提に考え、それが無いと崩壊したり誤解が生じるケースを何度も見てきた。“コミュニケーション”という単語自体がインタラクティヴな意味を含んでいるのだが、ツールを介すると「期待」「義務」にまで昇華しかねないので、場合によってはギクシャクしてしまう。

こんな安っぽい説教みたいなことをダラダラと綴っているのは、自分が何かの利益・楽しみ・喜びが無いと、返事が無い場合が多いことに気付いたから。それに対して自分は腹が立つかというと決してそんなことは無く、単に興味が無いのだなと受け流すのみ。但し、最低限の礼儀も無い場合も多いので、それはちょっとどうかなという場合もあるが。こちらがこんな面倒なことをして投げかけているんだから、何の返事も無いなんて!と一方的に怒ることは単に独善的になるだけなので、そこは相手の状況や価値観にもよるけど。

ここ数年、仕事でもプライベートでも、本当に沢山の方々と新たに出会った。そうした人脈ネットワークは大切にしたいと思う一方で、マジで面倒だと思う自分もいる。実際に、昨年の一時は付き合いが頻繁だったものの、恐らくもう二度と会わない方々もいる。少し寂しい気もするが、好むと好まざると望もうと望むまいと、それは仕方のないことであり、それは相手も同じで双方がそれで良いのだからOKだろう。ネットワークツールが発達し多様で便利になった結果、建前だけで「またいつか」「今度会おう」なんて言葉や文字が、より空虚に聞こえることは否定できない。元来、自分は天の邪鬼であることに加え、白か黒か0か100かみたいな極端な性格なので、それでも一向に構わないと思えるところが、前述の「周囲に常に感謝すべき」ということと矛盾しているけど。いくつになっても、白と黒の間のグレーが見えなかったりすることは、成熟できていない証拠なのかもしれない。

ここまで書いてきて、数年前に全く同じことを書いたことを思い出した。数年経っても全然成長してないじゃん、俺。まいったね。

40年も人生をやってると、得るものも沢山あるけど、失うものも同じぐらいかそれ以上に沢山あることだけは分かってくる。本当の孤独は、どんな貧乏よりもずっと辛い。自分は忘れ去られることを恐れる、ちっぽけな存在なのだ。

Nacky
2010年5月10日



自己紹介
【F1スペシャリストから女性下着博士へ(笑)】

趣味は“バンドとバイク”という、昭和の不良高校生のようなパンクなジジィです。休日はバイクor自転車に乗るかイジるか、野外ライブをするしか過ごし方を知りません。よって、雨の休日は廃人です。

とにかく2つの車輪しかない不安定な乗り物が大好き。モーターサイクルやMTBでムチャ走りをしての生キズが絶えません。また、ギターやベース、ピアノなどの楽器を与えると制止されるまで弾き続け、自作のヘンテコな曲をその場で作りながら歌い続けます(本職はベース)。ジジィはジジィでも、“スーパージジィ”を目指して日夜努力中。若い女性からはイマいちモテないが、オバちゃんやガキんちょ、オカマに対してはいつも爆発的なパワーを発揮します。家庭や仲間うちでの呼び名は「人間に最も近いサル」。

自分のバンドのサイト↓です。
http://www.cyworld.jp/bluecolorunion
「サルは一体どんな音楽を創るんだ?」とご興味のある奇特な方、楽曲の試聴やダウンロードもできますので、是非覗いてみてください。アマチュアミュージシャンの方、コラボも大歓迎!アレンジもいたします。

こちら↓は自己紹介がわりです。アホ丸出しですが(笑)。
http://www.e-enesta.com/ore/flash15/fno282.htm

仕事では長年関わっていたHonda F1の仕事を辞し、イタリア車の広告制作を経て、現在は港区にある某広告代理店のクリエイティブディレクターとして、テレビCMやら広告やらを作っています。なんだか偉そうに聞こえるが、要は宣伝を作る上での何でも屋さんです。元来クルマ/バイク/レースのスペシャリストですが、今はなぜか女性下着のスペシャリスト。ご面倒な広告制作の仕事、よろずお引き受けいたしますのでご指名ください。

I'm OK, even if you give me a message in English,
and I'll certainly reply to you!
Thanx for your coming.

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