ベイタウンの住民にはポピュラーなお花見スポットかもしれない。不思議なことにこの下にゴザを敷いて、一升瓶を小脇に抱え、紙コップ片手にわいわいやっている花見の光景を見たことが無い。ベイタウンから中途半端に離れているというのがその理由か。しかし、磯辺のご近所の方もここではお花見の宴会はやらないようだ。ちゃんとした公園じゃないからだと思う。
だから、ここ、桜の名所にありがちなピンク色のアンドン型の提灯もぶら下がってないし、木の下のビニルシートもないし、人もあまり見かけない。すっきりしているのだ。あまりにも見事だから、クルマを停め、ケータイで写真を撮ってゆく人は多い。全部で5本くらいの桜の木だし、それほど古い大木でもないのに、周囲がスカーンと開けているので、目立つ。シンプルでありながらゴージャスな感じ。
毎年、桜の季節になると、花見に行かなきゃと焦る。焦りは、桜の花が咲きだす頃に湧いてきて、そして、満開になる頃にピークを迎える。別に、その磯辺の桜で十分じゃないかと自分を慰めてはみても、皇居・千鳥ヶ淵、埼玉の権現堂、千葉だったら鶴舞などの桜の名所を頭に思い浮かべて、さて、どうやって時間をつくろうかと算段するのだ。
しかし、実際にはせいぜいこの近所の香澄公園とか、ま、頑張っても、千葉城のある亥の鼻公園くらいまでか。桜の咲く頃は、年度末と新学期などが重なって、あまり因果関係の無さそうな私でも仕事が忙しくなっているのである。ま、そんなときでも磯辺の桜は私を慰めてくれるのである。「そんなに遠くに行かなくても、傍に私がいるじゃない。」と囁いているのだ。
2008/4/3
しばざ記 441 |
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