とんでもない失敗をしでかして、途方に暮れることがある。それは今でももちろんある。やってはいけないことをやり、思い切り後悔することもある。失敗を恐れるな。チャンスは何度でもある、というのは若い頃の話だ。今はもう後が無い。毎日が背水の陣だ。
そういうことも関係しているのか、失敗した夢を時々見て、嫌な気分になっている。仕事絡みのことが多い。絶対に、どんなことがあっても朝一番で企画書を持って、得意先の部長まで馳せ参じなくてはならないようなときに限って、目覚まし時計が鳴らず、慌てて、普段なら絶対に使わないタクシーを飛ばし、運よく僅か5分の遅刻で済んだものの、企画書を持ってくるのを忘れた。そんなストーリーだ。
どうしたらいいのか脂汗を流しながら、気絶しそうになるのを必死にこらえていると、目が覚める。夢だと分かるまでにも相当の時間を要している。そして、その一日、いや、暫くはヘンな余韻に浸っていて、憂鬱な毎日が続く。数少ない友人に、一線を越えたことを言ってしまい、取り返しがつかなくなる、という夢を見たことがあった。たかが夢なのに、暫くは対人関係に自信が無くなってしまった。
私はプラモデルをはじめとして、何か物を作ることが大好きだった。でも、大嫌いになってしまうことが多い。例えば、こちらの部品を先に接着剤をつけて、中に組み込まなくてはならないのに、設計図を見誤って、一番外側の本体を接着し、後戻りできなくなってしまったとか、あるいは、部品を間違って切断してしまったなど、修復不可能なミスをしてしまうのである。要するにおっちょこちょいなのかもしれない。
さて、いきなりそんな後に戻れない失敗の話を長々としてしまった。話は打って変って、実は、旨い焼きうどんの話を書こうと思ってたのだ。昨日の昼に作ったのは、これまた、めちゃくちゃ旨かった。簡単に作って、しかも旨くて、こりゃもう「しばざ記」で自慢するしかないと思っていた。それとは別に、以前、醤油を入れすぎて、物凄いしょっぱい焼きうどんを作ってしまったことがあった。さっきの話に類似している。一旦濃い味にしてしまったものは、殆ど修復できない。まさに、覆水盆に返らずなのである。
焼きうどんについては、以前、このサイトでもうまく行ったときの話を書いた。気を良くしてそれ以降、2、3回作ってみた。今では私の自慢料理となった。それほどでもないか。前述の通り、一度は醤油を入れすぎた失敗作。でも、それからはヘマはしない。昨日の昼に作ったのは、これまた、めちゃくちゃ旨かった。麺は、安く買ってストックしておいた乾麺。ここが味噌。以前、自画自賛だったときには茹で麺を買って作った。今回はわざと乾麺である。乾麺は微妙に好みの固さにゆで加減を調整できる。スパゲッティでいうところのアルデンテだ。いや、やや、もちっとした食感から、ちょっとべちゃっとした感じになるくらいが逆に旨い。
私の場合は、中華なべ、もしくはフライパンで、割合多目の水を沸騰させ、そこに乾麺のうどんを入れる。できるだけ麺が踊るように、くっつかないようにするのがコツ。普通のなべと違って、フライパンも中華なべも吹き零れることがあまりない。そこそこ麺が柔らかくなってきたら、私の場合は一気にザルに移しお湯を切る。そして本来なら、フライパンに脂を敷いて、炒めにかかるのが正当なやり方かもしれないが、私の場合は、フライパンに湯切りをした麺を入れ、少量のお湯を入れ、そして、めんつゆをほんの少々入れ、再び茹でる。すぐにお湯が無くなるが、無くなる前にサラダ油を少々。くっつき防止だ。あ、そうそう、フライパンはテフロンのものを使う。
次に予め適当な大きさに切ったウィンナーと玉ねぎを入れ、そして、醤油を入れる。あとは適当に熱して、まあ、炒める要領で、はい、出来上がり。最後にたっぷりの花かつおを入れる。これは絶対に必要。玉ねぎは十分加熱しないと辛味が残る場合もあるので、注意が必要。
こんなもので、凄く旨い焼きうどんが出来上がる。醤油の若干焦げた香りと味がたまらない。隠し味のめんつゆもいい感じ。ごく少量だけ入れているのがうどんの持つ小麦の甘さをを引き立たせる。それから玉ねぎの甘み。これが旨い。しゃきしゃき感を出すのであれば、うどんが茹で上がったら脂を敷いて、強火でささっと仕上げればいい。ワタシ流は若干、べちゃっとした感じが好きなので、前述の通り、最後は少量のお湯を入れ、徐々に水分を飛ばすという方式なのだ。この方法だと、油っぽくないのも嬉しい。好みに応じて、ベーコンやピーマンなど入れてもいいかもしれない。
あ、こういうことをくどくど書いていたらムショウに腹が減ってきやがった。と、言っても今は深夜なので、我慢、我慢。そうだ、このめちゃ旨い焼きうどんの画像が無い。料理と喰うことに没頭していると写真は撮れない。 |