地下鉄八丁堀の駅を新川方向に歩くと、キリンビールの本社を過ぎ、新川の高層ビル群を背景に古ぼけた小さなラーメン屋が目に留まる。ここがラーメン長助。明らかに周辺とは異質な空気を放っている。薄汚れた白い壁には「ラーメン380円」と書いてある。や、安い。で、でも、普通の人はちょっと入るのに勇気が要る。
実は、ここ、以前から知っている店で、八丁堀に勤務している頃、週に一度くらいは通っていた。現在のラーメンは380円だけど、かつて(18年くらい前)、300円、いや、270円くらいだったような気がする。確かにかなり前のことだから今よりは物価が多少低かったかもしれない。でも、一般にラーメンは500円以上するのが常識だった。
その当時、私の好きだったのがラーメン&コロッケ定食。ラーメンにコロッケとポテトサラダ、そしてご飯がついて、確か500円くらいだったと思う。安月給には嬉しいセット。小諸そばのセットもそのくらいだったかも。そう考えると、食べ物に関しては極端に物価が上がっていないね。タバコは大幅に上がったし、酒税が上がったお陰で第二のビール、第三のビールなんて登場しちゃうし、それ以外ではここ14、5年の間で大幅に値段が上がったものって無いような気がする。むしろ値段が下がったもののほうが多いかも。
そして今日、18年ぶりで店(長助)に入った。店の中は相変わらず汚い。ごめん。でも、しょうがないよね。この汚さがまたこの店の良さなのだ。決して嫌いじゃない。壁は油が染み込んでいる感じ。最近貼られたと思われるポスターももうくすんでいる。うっかり壁に寄り掛かったら、新品のスーツは台無しになるだろう。いまどき、こんな凄い店あまり無いと思う。でも久々におやじさんの顔を見たら昔とあまり変わってない。私がこんなに老けたのに。
ラーメンを注文する。ぐつぐつに煮えたぎった湯に麺をくぐらせ、スープを注ぎ、具を載せて出来上がり。手際がいい。さすがベテランん。他に2人の客がいたが、既に食べ始めていたので、オーダーは私だけ。あっと言う間に仕上がった。これこれ。これが懐かしのラーメン。透明度の高いあっさりしたスープ。ストレートの細麺。確かにチープな味だけど、決してまずくはない。むしろ、昨日行った築地の井上にも負けない味だ。
(↑)外観
ちょっと綺麗な雰囲気に写っている(と思う)が、結構、くたびれた感があって趣がある。いや、趣があり過ぎるかな。建物の横の壁を見ると、どれだけ歴史があるのかがお分かりになると思う。
(↑)これが380円のラーメン。
とても380円には見えない。チャーシューだってちゃんと入っているし、そのチャーシューも結構ジューシーで、旨いのだ。
この数日、毎日ラーメン食べている。これでいいのだろうか。これでいいのだ。
なんかバカボンのパパみたいな性格になってきてるな。(笑)
2011.1.25