「俺たち2」管理人による戯言
日記でもない、コラムでもない、単なる戯言。罵詈雑言。そんな感じ。
筆者は幕張ベイタウン在住のおやじ。いや、もうじじいの領域か。すみません。
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しばざ記(最新インデックス) しばざ記(INDEX-31)  しばざ記・ブログ版  俺たちのHP(パート2)
息子と二人旅
電車で息子と旅するのは、もう何年も前になってしまった岡山、尾道、広島への旅以来。日帰りとは言え、これからも機会は多くないので、たっぷり楽しんだ。


9月8日 月曜日。
午前5時20分発の東京行きに乗るためにベイタウンを出発。
息子との電車の旅が始まる。

この日になったのは、8月からの二人のスケジュールが折り合いついたのがこの日のみ。
今日を逃したら、当分こういうことは無い。

もちろん「せいしゅん18きっぷ」の有効利用。
私は残り3回の時点でもう息子に譲る話をしたのだが、息子もバイトやらサークルが忙しくて、使えないということで、いっそという形でこうなった。

いやいや、しかし、最近会話もままならない息子とこうして一緒に旅が出来るのは父として、正直言って非常に嬉しいのである。


行き先は、次の3つから天気予報を参考に私が決定した。
関東地方= 曇り時々雨  東海地方= 曇り時々雨  東北地方=曇り時々雨
山梨県・長野県 = 曇りのち晴れ

山梨、長野には雨マークがついていないので、即ち、中央本線の旅にした。
あとは、まあ適当にということにする。
マストは、信州そばを食べることかな。
普通列車の乗り継ぎの旅でも効率よく行けば、寄り道を極力少なくすれば、例えば松本辺りまでの往復でも楽々とは言えないにしろ、可能なのである。
いや、そこまで行かなくても、中央線の沿線で旨いそばが食べられればいいと思った。

というわけで京葉線の上り列車に乗り込むのであった。



東京駅着。通勤客に混じって京葉線ホームから中央線のホームへ移動。
で6時6分発の高尾行に乗る。
私は少し腹がへっていたのだが、息子がまだと言うので、それでは高尾辺りで食べるということで、そのつもりで乗り込む。自販機でペットボトルのお茶を買う。息子は水筒を持ってきていた。しっかりしてるなあ。

先日の静岡に行ったときもそうだったが、早朝の下りも案外混んでいる。


途中、三鷹で後発の中央特快・高尾行に乗り換える。
なんだよ、そうだったら東京駅でおにぎりくらい食べたかったな。



7時8分、高尾駅。
その先の電車がもう待機していて、すぐに出発なので、それでは相模湖辺りで何か食べようということで、大月行きの中央線に乗り継ぐ。高尾から先の車窓の景色はそれまでとがらっと急変し、山また山となる。高尾山とか景信山の下をくぐるトンネルもあって、いかにも旅しているという気持ちが昂る。しかし、ここを毎日通勤で使っている人もいる。不思議なものだ。

ああ、腹減った。

息子はそうでもないらしい。

では相模湖じゃなくて、もうちょい先の猿橋なんてどうだ。
そういう話をしたのだが、息子はいつの間にか寝ていた。

猿橋は私は例えばその近くを何十回通ったか分からないし、友人と登山の帰りか何かで、立ち寄って、近くまで行っておきながら、どうせたいしたことないと思って、「俺、ここで待ってるから観てきていいよ。」みたいに、つまり、まだ現物を観ていないのだ。

こういう機会なので是非観ておきたいところ。

あ、そうそう。今夜はベイタウン商店街の集まりがある。ベイタウン夏祭りの反省会だ。でも、間に合わなさそうだな。申し訳ないけれど、今日はこっちを優先させて。
息子とこういう機会は非常にレアなことだしね。

2014.9.4

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思ったよりも素晴らしい猿橋


猿橋駅着。朝の7時43分。
おー、凄い、凄い。
こんなに早く着いてしまうことに感激。

普通のサラリーマンであれば、月曜の朝だから満員電車に揺られていることだろう。申し訳ない気持ちもあるし、こういうことくらいしか特権が無い我が身が情けなくもある。あ、いや、せっかくの息子との旅に水を差すようなことは考えないようにしよう。



天気は芳しくないが、この素晴らしい清涼感。
気温は低い。

息子は何度も「寒い。」と言う。
寒がりなのだ。(笑)



JR猿橋の駅頭に立つ。
うわぁ、なんだこのまったく観光地っぽくない駅前広場は・・・。
しかも、何にも店が無い。
売店のひとつもだ。

す、すごすぎる。
観光客にまったく媚びていない。
こういう駅って実は好きだったりする。

やっと空腹になり、それを訴える息子はがっかりしている。(笑)

木造の渋い建物の向こう、右側の奥に見える山は、岩殿山。
岩殿城跡である。

以前から行きたかったのだけど、いつでも行けるというのが仇になってしまって、行きたと思い続けて早数十年、未だに行っていない。

息子に岩殿山のことを話してみたけれど興味無し。そりゃそうかもしれない。



一方で駅は新しく立派。
通勤時間帯なので、若いお嬢さん達が次々に駅に来られる。
この辺りの人ってどこに通勤しているのかな。

都内でも多摩地区だったら、それほどの通勤時間じゃないだろうし、近くの大月かもしれないし、甲府ももちろん通勤圏だよね。
土地代、住宅の占める生活費を考えるに、猿橋に住んでいる人っていいな。自然も豊かだからね。俺も猿橋に住みたい。これからは猿橋だ。大月市民だ。なんちゃって。



駅前広場に咲いている花。
なんという名の花なんでしょう。

それはともかくも猿橋(駅じゃなくて本当の橋)方面に歩いてゆくことにする。
駅前から国道20号に出る、短い道の脇に「そば・うどん」と看板に書いてある店があった。もちろん8時前にオープンしているわけがない。(泣)

息子は戻ってきたら開いているかなあと言った。
無理だ。戻ってきてもまだ10時より前だろうしね。



国道20号線沿いの神社。
駅の至近にある。

こういった建物も旅情を豊にしてくれる。



やはり国道20号沿い。
コスモスが綺麗だ。
狩人の「コスモス街道」だったっけ?(笑)
どうもそういうのを思い出したしまうね。

この斜め前方向にセブンイレブンがある。
仕方がない。
そこでオニギリや弁当を買って食べよう。
この界隈でセブンイレブン以外に開いている店は皆無だろうしね。

ま、そんなことになる。
うーむ、旅に来ていきなりコンビニちゅうのも悲しいかな。
ま、しょうがない。
旨い空気を吸いながら食べるコンビニのおにぎりもオツなもんだ。



最初の眺望スポット。
というか、コンビニのすぐ脇の交差点。

赤い橋げたは中央高速。

こういう旅でなければ、こんなところで立ち止まることもない。



国道20号線を猿橋に向かって歩いていたら、ススキをたくさん持っているおじさんに呼び止められた。「どこに行くの?猿橋?」と訊かれたので、頷くと、「ここを下がったところに猿橋公園というのがあって、そこを歩いてゆくと景色もいいし、溶岩流の跡も観られるよ。」と教えてくれた。物凄く親切なおじさん。丁寧にお礼を言って歩きだそうとすると、尚も説明が始まる。「溶岩流の跡もあるよ。」とも教えてくれた。

それで、これを書いているときに思い出したのだが、そうか、十五夜だからススキを持っていたわけね。なるほど、なるほど。



猿橋公園。
花がたくさん咲いている。
グッド、グッド。

息子は、私の若い頃のように、まったく花には関心を示していない。



公園を抜けると、こんな風な道になる。

お、なんか山登りに来たような気持ちになってきた。
わくわく。

と言っても道はそう険しくはない。



下を流れる桂川(相模川の上流)にアユ釣りをする人が。



上流を眺めると、岩殿山が。



ここから登り。
いよいよ、猿橋に近づいたかな。



そして到着。

おお、なかなかいいね。
橋自体も素晴らしいけれど、この下を流れている桂川のスリリングな高度感がたまらない。前述の通り、今まで何度も近くまで来ていながら知らなかったというのはちょと残念。



もうちょい近寄ったところから。
分かり難いけれど、橋の上で旅のおじさんが写真撮っている。



またちょいと別のアングルから。



猿橋の隣の自動車の通れる橋から下を観る。
こんな感じ。
物凄い高度感。

猿橋から見下ろす景色は木が鬱蒼と茂っていて、それほどではない。



猿橋から下流を眺めた景色。
手前の箱型の橋は水を流す為のものみたいだ。

奥の赤い橋は国道20号線。
おそらく何回かはあの橋の上から猿橋を眺めたことはあると思うんだけどね。まあクルマで、普通に走っているからしっかりと眺めているわけじゃない。だからぼんやりという感じかな。



こんなスリリングな道があって楽しい。
下にいるのが私の息子。
今日初めての登場。



猿橋のやや上流から見上げたところ。この写真の一番上のほうのややセンターから右が猿橋である。凄い高度感でしょ??
いや、ほんと、実際に凄いんですよ。



ここが正規の猿橋の入口になる。
この通りの両側には土産屋、そば屋など何店舗かあったものの、もちろんまだ9時にもなっていないので、どの店も閉まっている。

うーむ、仕方がない。
それでは次に行く小淵沢まで食事はお預けにしよう。



駅に引き返す。

猿橋駅から下りの小淵沢行きは約20分待つことがわかった。
うーむ、どうしようか。
この20分って微妙だよな。

そう思っていたら駅構内の掃除をされていたおじさんが、いいことを教えてくれた。
おじさんは指を差しながら、「あの山の上から物凄く良い景色が見られるよ。」という。え、でもどう考えてもそこへ行く時間は無い。一所懸命登っても30分以上はかかるに決まっている。しかし、そうではない。なんと、駅南口のすぐ先に、トンネルがあって、その突き当りからエレベーターに乗って、5分でそのへ行けるそうなのだ。しかも、無料なのだ。

そ、それは素晴らしい。その昔、江の島にエスカーというエスカレーターがあって、あれは有料だった。単なるエスカレーターなのに。そんなことも思い出した。



これが地下トンネル。
長い。



そして山の上に一気にエレベーターで昇る。
エレベーターで行った先は新興住宅街。
つまり、このエレベーターは生活の足なのだ。
超高層ビルのエレベーターのようなものだろうね、きっと。

右端に歩いている人、それが私の息子だ。このページ、2度目の登場。
この年齢にして写真を撮られるのを極端に嫌っているので、この大きさ。(笑)



いやぁ〜、素晴らしい景色。
猿橋公園で会ったおじさんにしろ、このエレベーターを教えてくれたおじさんにしても有難い。きっとこの街の人全てがいい人なんじゃないだろうか。そんな気持ちの良い朝だった。

2014.9.8

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小淵沢で そばを食べる  序章


9時20分。猿橋から小淵沢行きに乗る。
とりあえず小淵沢に向かうが、そこから先は、更に諏訪方面に行くか、それとも松本に行くのか、その辺りは決めていない。或いは、小海線に乗って清里に行くという手もある。でも、小淵沢辺りでどちらにしても昼食になりそうなので、そこで下車してそばでも食べたい。

乗った電車は、意外に混んでいた。混んではいるけれど、4人掛けのボックス席を一人で独占しているケースが多いので、実際にはそれほどでもないわけだ。

最初は息子とドアの近くの席に座った。途中で、ボックス席に移動。



勝沼と塩山の間に甲府盆地の素晴らしい景色が車窓いっぱいに広がった。圧巻は勝沼のちょいと手前のぶどうの丘が見える辺りだった。その時はうっかりカメラを鞄の中に仕舞ったままでシャッターチャンスを逃してしまった。うう、残念だった。

勝沼のぶどうの丘は、二十代の頃ハマっていたことがある。塩山方面に来たときは必ず寄っていた。地元の暴走族に混じって夜景を観に行ったこともあった。混じってというよりは取り囲まれてみたいな感じかな。あの頃って、暴走族が駐車場で集会みたいなことをやっている場所に行っても恐怖心とかそういうのは無かったな。

息子は完全に眠っている。



間もなく塩山。
塩ノ山がよく見えている。
巨大な古墳のようだ。



小淵沢。11時ちょいと過ぎ着。
余裕だな。

息子は、直前まで熟睡。
まだお昼には早いけれど、小淵沢で昼食にしよう。

昼食が終わったら、さてその後だが、久々に小海線に乗って清里辺りで何か旨いものを食べよう。清里だから牧場に因んで肉料理だな。そんなに高くなくてもいいからステーキっぽいものを食べたいな。ハンバーグでもいいや。ちょっとだけの贅沢をしたい。

その為には、小淵沢ではがつがつしないで、軽く食べるのに留めておかないとならない。やっぱり、そばだよね。(笑)



小淵沢駅。
ややレトロの可愛らしい建物。



駅前にはそば、うどんを始め、なんでもありそうな食堂がある。
でもなあ、もっと感じの良いそば屋がいいな。

そう思いながら駅前の道を歩いてみることにする。


その時にちょっと失敗。
小海線の時刻表を見ておかなかったことだ。



駅前広場。
(これは後で撮影したもの)



小淵沢は、まあ、落ち着いた街かな。
どちらかといえば、レトロな家が多い。



とてもいい雰囲気の店。
そしていい匂い。

なんの店かと近づいたら、うなぎ屋さんだった。

息子は食べたいと言ったものの、ちょっと今日の予算では無理そうなので、あくまでも、そばを食べようと誤魔化した。



おお。この看板(?)がいい感じ。

後で知ったことに、同店はかなり有名店で、味も全国レベル。
わざわざ遠方からお客さんが訪れているくらいに評判がいいのだ。
であれば、無理して寄っておくべきだった。
私はスマホを持っていないが、息子同伴のこういう時にこそ息子にネットで調べてもらえばよかった。失敗したなあ。いや、しかし、ここに入っていたら後述するそば屋には出会ってなかったかもしれない。そば食い男としては、そばを優先する。



そのうなぎ屋の前にこれも魅力的な酒屋。
うん、これは気になる。

帰りに時間があったら地酒のひとつでもお土産に買いたい。

* 追記: FBのえだまめちゃん情報によると、ここ(久保酒店)は、えだまめちゃんの小学校の同級生の家だそうです。へえ、いいなあ。(笑)



かつて旅館だったような家屋。
今はまったく商売をやっているようではない。


一通りほっつき歩いてみたものの、どうもそば屋さんがあるとは思えない。
うーむ、どうしちゃったんだ。
小淵沢って地名の響きが、いかにもそばがたくさんありますよ的な感じじゃないのか。

一旦駅まで引き返そうと思ったら、息子がスマホで「雅」というそば屋があることを見つけてくれた。ちょうど、郵便局のところに地図もあったので、そこに行くことにした。



確かこっちのほうだ。
こんなところに本当にそば屋さんがあるのだろうか。



ちょいと道を間違えて曲がったが、その先にこの看板が見えた。
おー、あった、あった。
しかもすげえいい感じの店じゃん!!

いきなりテンションが高くなる。



ここを曲がると、その雅という名のそば処。



この辺りは蔵や古民家が立ち並んでいる。

2014.9.8

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小淵沢で そばを食べる


ここが「雅」。
大地主さんというような立派な古民家だ。

でも、決して目立たないのがいいね。



中に入る。
暖簾がかかっている。

おお、わくわくするね。



暖簾をくぐって、「ごめんください!」と叫んだのに、気が付かないようだ。
後で分かったのだが、いきなり団体さんが入ってこられたのでパニクっておられた。



まずは大広場に通されたのだが、この団体さんでてんやわんやされていた。
でも我々が2人だけということで気を利かせてくださり、やや小さい部屋に落ち着く。



我々の部屋からの庭の眺め。
いいなあ。
心が落ち着く。

忙しそうで、手のかかるものは遅いと判断したので、私はもり、息子はおざら(この辺りの特産のうどん)を注文。量的には少ないが、また清里に行ってから食べればいいやという感じ。(笑)

女将さんらしき女性も気を利かせてくださった。団体さんのほうが我々よりも少し早く店に入り、注文も早かったけれど、我々のほうを優先。有難い。



これがざるそば。
色具合は、やや白っぽい。
麺の細さはまあ普通でしょうか。

味は、まあそれほど特徴は無いかも。
でも、シャキッとしていて美味しいです。

なんと言ってもこの雰囲気の中でこのそばは美味しい。



こちらは、息子が注文した”おざら”。
うどんを温かいつゆで食べる。
つゆの中にはきのこなどの具がたくさん入っている。
うどんは、コシは強くはなく、しなやかという感じ。つるっとしていてのど越しが良い。

短い時間だったがとても美味しかったし、古民家の良さをたっぷり楽しんだ。
会計をする時に、「この店は(創業して)何年経つのですか?」と訊ねたら、「団体さんが賑やかでご迷惑をお掛けしてすみませんね。」と申し訳なさそうに言いながら「今年で9年になります。」ということだった。人の良さそうな感じの女将だ。

同店のことを後でネット(食べログ)で観たら、接客に関しての評価が良くない。きっと、接客を女将一人でこなしていて、忙しいときにはあれもこれもやらなければならない等でパニクっているのだろう。その辺り、もっと理解してあげればなあ。どうも食べログの一部の方々はおおらかじゃないな。無愛想な接客で文句を言う人がいるが、それはそれで楽しみたいな。その店が9年も続いているということはそれ以上の魅力があるからなのだ。

そして、小海線に乗る為に小淵沢の駅へと向かう。

2014.9.8

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大失敗で再び小淵沢を散策


そばを食べた後、のんびりと小淵沢の駅に戻った。
何故、のんびりかと言えば、そばを食べに小淵沢駅を下車した20分後くらいに小海線の小諸行きが出発するので、そばを食べる時間も含め、一時間後に戻ってくれば次の列車に十分に間に合うだろうと勝手に解釈していた。つまり一時間に1本くらいのダイヤだと思ったのだ。

しかし、現実は厳しかった。なんと、2時間に一本だった。ショック。即ち、あと1時間20分もこの小淵沢に居なくてはならない。清里で、漠然と肉料理なんぞを食べたかったのだが夢はもろくも崩れ去る。その為に昼食を軽めにしておいたのに。

仕方無い。駅の隣にあるイートインの出来る店で少し休むことにした。
息子が信玄餅を食べたいというので、2個セットを買って、そして、それをツマミ(笑)にビールを飲む。じゃがりこも買った。



うん、でも、プレミアムビールが旨い!!




八ヶ岳高原ワッフルカスタード。
息子はまだヤングだからこういうものが好きなのだ。(笑)

さてさて、まだたっぷり時間がある。
こんなものを食べて時間を潰すのは勿体ない。
レンタル自転車でもあれば、それも良し。

でも、どうも小淵沢はそんなものは無さそうだ。(笑)

よし、こうなったら、私の好きなタウンウォッチをしよう。
嫌がる息子の尻を叩きながら駅の南西方向へ行ってみた。
約1時間の散歩である。

駅前から少し行くだけで、景色はどんどん田舎っぽくなる。
古い建物などがあって、結構楽しめる。
都内近郊の殺風景な街並みとは異なり、小淵沢は味がある。



シュミの店じゃなくて、実用性を重視した籠の店。
インテリアに欲しい。



何かの作業所だろうか。
不思議な建物。



かつてなにかの商売をされていたような建物だ。



寒さ対策か、窓が二重になっている家。
格子状の複雑な造り。



郷愁を感じる景色だな。



富士山がぼんやりと浮かんでいる。



大宮神社。

階段を駆け上る息子。
運動不足を痛感したのだろうか。(笑)



階段の上は、広々としたゲートボール場になっており、その向こう側に社殿がある。
不思議な神社だ。



なかなか趣のある雰囲気。
素晴らしい。

そして何気なく、その神社の裏側に素晴らしいものを見つけた。

2014.9.8

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わらぶき屋根の重厚なお堂を見つけた!


適当に歩いて発見した渋いお堂。大宮神社の裏手にあった。わらぶき屋根が素晴らしい。それに、こんな素晴らしい建物なのに我々親子以外に誰も来ない。駅にはあんなに多くの観光客がうじゃうじゃいるのに。小海線の発車時刻を間違えて思わず小淵沢に2時間滞在する羽目になったことの怪我の功名ですな。これだからほっつき歩きはやめられない。旨いそばも食べられたし。小淵沢いいところ!!

後でネットで、このお堂は、小淵沢町指定有形文化財「義光山 矢の堂」ということを知る。されど小淵沢町は現在、北杜市なんっすよね。まだ違和感があるな、その名前。



なんというか、なかなかこういうお堂はレアじゃないかと思うのだ。
もっと注目されてもいいよね。



大宮神社方向から眺めた図。
この2つの建物の位置関係もいいね。



北側からのお堂。
お堂というよりは昔の民家のような感じ。



松本方面へ向かう中央線の列車が見えた。



これから向かう八ヶ岳の方向を眺める。
天気はイマイチだな。

2014.9.8

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小海線で清里まで


13時14分発の小海線に乗る。
既に列車は停車中。
ディーゼル車である。

残念なのはカラーリング。
いや、悪いと言っているのではない。
木更津〜上総亀山を走る久留里線と、おそらく車両の型も同じだし、カラーリングも酷似している。というか、ディーゼル車も全国で限られているからこうなってしまうのだろうけれどねえ。せっかく来たんだからさあ。もっと独自のカラーリングであってほしいな。

息子は小海線に乗るのは今回が初ではない。まだ彼や、彼のいとこが小さいときに親戚一同で八ヶ岳に旅行した際、じーじばーばとこども達が小海線乗車の体験をしている。対して私は初めての経験。二十代後半に八ヶ岳に凝っていて、登山やらバイクツーリングやらもう何十回も通っている。それなのにこの小海線に乗ったことも、乗ろうとしたこともなかった。ああ、今から考えると残念だったな。特にその二十代の頃の小海線って確か、オレンジ色とベージュのツートンだった筈だ。



意外や意外。
小海線は平日にも関わらず大盛況。



そして清里に到着。
こうして車両のカラーリングを改めて眺めると、あいや、失礼、久留里線に似てはいるけれど、ちょいと違うね。すみませんでした。

列車の外に降りて、びっくり。
いやぁ〜。こ、これは寒いや!!!

長袖は必須ですな。



改札を出るには、いったん構内の踏切を横断する。



乗りの良いお嬢さん達。
後で、彼女達から写真を撮ってくださいというリクエストがあった。
もちろん、彼女のスマホでなんだけど、おじさんはスマホが苦手。
息子は照れてるし。(笑)

息子と同じくらいの年齢だろうな、おそらく。



降りたホームから改札を眺める。



駅頭に立つ。
相変わらずどこの国かわかないメルヘンチックな雰囲気。
ここはまだいいのだが、やや甲斐大泉方向にちょっと歩くと、白を基調とした夢の国が広がる。キッチュすぎて気持ち悪くなってしまう。清里そのものは好きなんだけど、その界隈は嫌い。
なんというか、「あられちゃん」(鳥山明氏)の世界。表現が古くて申し訳ない。コーヒーポットの形をした喫茶店さえある。ペンションのブームもこの辺りが発祥じゃないかなあ。実は私も泊まったことがある。お恥ずかしい。
でも、私が二十代の頃見た華やかさはすっかり失せて、古ぼけた感じにはなっている。



駅前でなにか食べようと息子に尋ねると、空腹じゃないという答え。
それは私も同様。
清里で何か、西洋風(笑)の旨いものを食べようと来たわけだが、ちょこちょこつまみ食いをしたからか、全然腹が減っていない。
歩いて余分なものを燃焼させないといけないな。

ということで清泉寮まで歩くことにした。

コスモスが綺麗。



踏切を渡る。



高原気分を満喫。
緑、緑、緑ってな感じだな。

緑以外はなんにもない。
それなのに楽しい。

息子は単に黙々と歩いているだけ。
こうして歩いているのが面白いのだか面白くないのだか、父である私にはまったく分からない。分からないが、何十年か先、父が死んで、あのときここを歩いたんだな、と思い出してくれればそれで良し。忘れてしまっても良し。



キープ農場の学校。
だったかな?



この界隈はずっと牧歌的な景観で気持ちがいい。
青空じゃないのが残念な反面、しっかり歩くにはこのくらいの気温の低さがちょうど良いかも。歩いていなければ寒いくらいの気温。



私です。
もちろん、いやいやながら息子が撮ってくれました。

あー、俺ってやっぱおやじだなあ。(泣)
しょうがない。(笑)



キープ牧場。

こういう景色を毎日見て暮らしたい。

と、心にも思ってないことを言ってしまった。
せいぜい1ヶ月くらいならここに住んでもいい。
しかし、ガード下の赤ちょうちんでもつ焼きと、煮込みでビールを飲めなくなるのは辛い。
そんなことを考えながら歩くのもまた楽し。

息子は一人でどんどん先に行ってしまった。(笑)



清泉寮が見えてきた。
斜め前を歩いているのが息子。
若いだけあって足が速い。

ちょいと癪に触るなあ。
ま、しょうがないけれど。

八ヶ岳の峰々は雲に隠れている。



清泉寮。
この手前のレストハウスで、休憩。



ああ、いい景色だ。
癒されるなあ。



360円のソフトクリーム。
高いけれど、旨い。

2個で720円だもんね。(笑)
牛丼より高いじゃないか!!(笑)



足湯。
息子です。スマホしながら長湯っす。(笑)

私も足湯に浸かりましたが、気持ち良かったっす。



清泉寮の前のレストハウスでのんびりしてから山をくだる。

ところどころにこんないい景色。
ああ、いいな、いいな。
山に登りたくなってきた。



ダケカンバも綺麗。
いいね。



パン&ジャム工房。



息子のリクエストで中に入る。
なかなかいい感じ。



でも、あんまり腹が減ってるわけじゃない。
メロンパンを買って2人で半々にして食べる。

ジャージー牛乳も飲んだ。
うん、旨い。



清里駅発 15時34分発 小淵沢行きに乗車。
今度は渋いカラーリングの車両だ。



小淵沢に近づいた頃、やっと八ヶ岳の全容が見える。
陽射しも出てきた。



小淵沢の駅で一瞬降りて、妻へのワイン(小ボトル)をお土産に買う。それと同時に、自分用にワンカップ型のワインを買って、甲府行きの中央線の車内で飲む。結構ドライで旨かった。

いつの間にか寝てしまった。

2014.9.8

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舞鶴城(甲府城) 立派な城だ!!


甲府駅 17時8分。
息子が、ほうとうを食べたいというので、本日最後の訪問地。

甲府は先日の静岡市もそうであるが、私の全国の好きな都市ベスト10にひょっとしたら入っているかもしれない。うーむ、微妙なところだけどね。どうも私は盆地好きかもしれない。(笑)

まずは、舞鶴城に行ってみる。
駅からあまり離れていないので、ちょうどよい散歩コース。
お腹を減らすにはもってこい。(笑)


前回、甲府を訪れたのはなんと3年前。
家族で訪れて、武田神社や善光寺に寄った。
あっと言う間だな。



舞鶴城は北のほうからアプローチ。

舞鶴城(甲府城)は、武田氏が滅亡した後に建てられた平山城である。
従って武田信玄とは直接関係が無い。



稲荷櫓。



更に上に。
どんな眺めがいいんだろうと高鳴る胸。



稲荷櫓の屋根の高さに。
どんどん景色が良くなる。



この上が天守台。
それにしても立派な石垣だ。



一旦、鉄門(くろがねもん)に下がり、その後、いよいよ天守台へ。



な、なんという素晴らしい景色。
天守台から南方面の景観。
富士山が薄らとだが、にゅーっと顔を出している。



南東方向。



北東方向。
山梨で一番高いビル「セインツ25」がそびえている。なんか他が高さがそれほど無いので目立ちすぎだな。明らかに景観を損ねている。

セインツ25のちょい左の山は金峰山。
(右は金峰山の頂上付近をトリミングした写真。)

なんと、五丈岩も見える。
私の視力では見えないが、カメラの望遠側で観ると、ちゃんと識別できる。

息子に「肉眼で見えるか」と訊ねたら、もちろん見えるという。
なるほどね。

こちらからもこれだけ見えるということは、金峰山の頂上に居たらとてつもなくいい景色が眺められるだろうな。もちろん、富士山なんていい感じで見えると思う。いいな。



西方向は、逆光なので、これ以上振れない。w

いやいやいや、とにかく素晴らしい景色。
いいなあ。
毎日ここに来ても飽きないような気がする。



ずっと眺めていたかったが、とにかく下界に降りる。
そろそろ日が沈む頃。

喉も乾いてきたし、早いところ、ほうとう食べに行きたい。



城を下りてから、甲府駅近くの「小作」で、息子のリクエスト通り「ほうとう」を食べることにする。小作は、やはり3年前に行っている。あれは石和店だった。こちらの店は囲炉裏席とテーブル席の部屋が分かれている。我々はテーブル席のほうへ。普通の居酒屋っぽい。

私はビールと、鳥もつ。



ぷはぁ〜〜っ!!
ビール、旨いっ!!
当然ながら息子は飲めない。
残念だな。(笑)

あと2年で一緒に飲めるが、しかし、一緒に飲んでくれるだろうか。(笑)



うん。おいしいよ、鳥もつ。



息子が注文した辛豚ほうとうセット。1,600円。
いいお値段。でも美味しい。
ちょこちょこスープを貰っていたら、腹いっぱいになってしまった。
そば系を注文しようと思ったがやめた。

それよりも、我々の対面に研修で秋田から来たとおっしゃるオヤジさんがいて、どんどん話しかけてこられ、受け答えするのがちょいと大変だった。(笑)
そのオヤジさんは、少し離れたところで東京からほうとうをひとりで食べに来られたという若い女性にも声をかけていて、我々も含めてさながらひとつの家族で食べにきたような状態になっていた。(笑)

正直、途中で面倒になったが、まあ楽しかった。
盛んに、「親子で旅行とは素晴らしいことだ!」と我々のことを絶賛していた。



おじさんのペースに合わせる為に、わざわざチューハイも注文した。(笑)



座敷の席には誰もお客さんがいない。
会計の時、この写真を撮っていたら、「オモテのお団子も撮っていってください。」と若いスタッフの方に言われた。なんと今日は十五夜だということだ。そうか、知らなかった。



これが月見用の飾り。
右奥の花瓶にススキが活けてあるのだが、うっかり穂の部分を撮っていなかた。
うーむ、残念。



さあ、適度にアルコールも入ったので、帰宅の途に就く。
甲府から大月行きに乗り、大月から東京行きの特別快速。
改めて甲府は東京から案外近いのだということを認識する。
息子と一緒の旅行。
次はいつになるだろうか。

2014.9.8

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2014/9/8
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