AbemaTVの特別企画、8連戦結びの一番で朝青龍は元大関琴光喜の田宮啓司と顔を合わせ、寄り倒しで8連勝を果たした。勝ち名乗りを受けると、現役時代は批判や処分の対象となった両腕でのガッツポーズをかかげ勝利を喜んだ。注目された第7試合のボブ・サップ戦も上手投げで圧倒するなど、8人の挑戦者を寄せ付けず「相撲は人生最後なんで、お別れします」と今後、再び土俵に上がる可能性を否定した。
両者現役時代の対戦成績は朝青龍の36勝9敗。途中、28連勝とするなど、カモにしていた相手だった。しかし、その実力を朝青龍は高く買っており、報道陣に対しても「一番強いのは琴光喜」と話すことが多々あった。
琴光喜が得意な右四つになったが、朝青龍も右で前まわしをとり組み合う。力のこもる取組は朝青龍が引きつけながら前に出て豪快に寄り倒した。
相撲への未練のような思いも抱えて今回の企画を受けたという朝青龍は、「久しぶりだなと思って、動きから何から、全部見覚えのある。本土俵で戦った二人が再会。夢のようですね」と万感の思いを語った。「幕内優勝もできた男なんで、立ち合いだけ集中して、いい相撲、いい思い出になりました」と語った。
再び土俵は上がる可能性については、「相撲は人生最後なんで、お別れします。夢に出てくることとかはこの土俵に残して、本人ダグワドルジに戻ります」と宣言。元横綱日馬富士の暴行騒動以後揺れている相撲界に対しては、具体名は出すことなく「とにかく若いお相撲さんとか親方衆とかいますので、相撲の発展につながる動きをしてほしいです。今年こそ前に進むしかないので精一杯頑張ってほしい」と願った。最後は「相撲ラブでしたね」と締めくくった。
敗れた琴光喜も「強かったです。気持ち良かったです。これで気持ち良く引退できました」と清々しいコメント。「結果は負けたんですけど、頑張っている姿を見せられたので良かったです」と語った。(敬称略)
2018.1.1 https://www.daily.co.jp |