「俺たち2」管理人による戯言

あの事件以来、海が嫌いになったかというと、逆だ。
海が恋しくて、恋しくて仕方がない。やばい感じだけど、彼が呼んでいるような気がする。




悲しいお知らせ(その5)
こうしてベイタウン中年バンドが始まった

2000年5月2日。
会社ではISOの研修、夜はベイタウンまつりの打ち合わせ。なんかややこしい日々が続く。

世間は連休でのんびりしているかもしれないが、私はドタバタしていた。ベイタウンまつりがいよいよ10日後に迫っている。色々と準備をしなくてはならない。好きでやっていることとはいえ、ちょっとしんどい。しんどいけど、楽しい。それに、ズッキーが動いてくれているので、非常に助かった。彼の動きは機敏で、しかも頼もしい。

5月6日(土)、実行委員会の佐藤さんと打ち合わせ。その後、和太鼓演奏集団「どんどこしょ」のライブを観にゆく。彼らもベイタウンまつり・ミニコンサートの出演者なのだ。

5月8日は音響を担当してくださる京葉プロジェクトの社長と打ち合わせ。その翌日、5月11日の深夜に北習志野のスタジオで、ベイタウン中年バンドの初のまともな練習を行った。まともと言っても、演奏曲すら決まってなくて、適当に音出ししているうちに、ズッキーの提案で「ロック・アラウンド・ザ・クロック」をやることになった。乗れるし、簡単だし、最初からいい感じだった。もうひとつはギター担当の植村の提案で、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」。それに、オリジナルの「新検見川ブルース」と、ほぼ即興の「ベイタウン応援歌」をやることになった。あとは、適当に2〜3曲ブルースでもやろうか、なんていう程度だった。

それでも、もう何十年も(笑)スタジオで演奏したことが無かったのでめちゃくちゃ楽しかった。耳が慣れてないせいか、いつまでもいつまでも耳鳴りしていたのを覚えている。結局このときの練習2時間、しかもドラムの山口が大遅刻で実質的には1時間しかちゃんと練習してないで本番に臨むことになった。でも、4人のメンバーはめちゃくちゃ燃えていた。スタジオから出て、饒舌になっていた。酒もがぶ飲みした。日付が変った5月12日。明日の本番を前に極度な寝不足。しかも、前日だというのに、深夜まで会社で仕事、それから祭りの準備。協賛企業からのプレゼントの仕分けなどで結局朝の4時まで5番街の集会室にいた。時々激しい雨が降る。開催が危ぶまれる。

5月13日(土) ベイタウンまつり2000
朝、7時集合。連合会役員が祭の準備に取り掛かる。私達もコンサート会場の整備等に追われる。早朝まで降った雨があがり、今日はバッチリだと思ったが、綱引きの予定時刻になるころは、本格的な雨に見舞われる。太鼓のメンバーも軒下に。その時、予定していた幕張総合高校のブラス隊が撤退。楽器と生徒が雨に濡れ、これ以上待機させておけない、という配慮からである。折角40人の生徒さん+応援団が来てくれたのに残念である。今回のコンサート関係の出演者の皆さんは全て私が呼び集めたので、とても責任を感じてしまう。更に、今度は綱引きも危なくなってきた。企業さん等にたくさんの賞品を用意して頂いたのに、しかも、私の住んでいる街区ののメンバーはいつにも増して強力なのに、開催は是非とも実現したい。

無情にも一向に雨はやみそうにないので、仕方なく、開催予定より30分遅く、綱引き大会の中止を決定した。その後、じゃんけんで決着を付ける。優勝は5番街。3連勝だ。たくさんの賞品を持ち帰った。ホテル・フランクスの宿泊券もこの番街がゲットする。

さて、コンサートもとんだ雨の影響で、予定どおりに行かない。せっかく凄いステージが用意されているのに、このままだと中止になってしまう。「どんどこしょ」の太鼓も11番街の中庭へ入るエントランスでやった。たくさんのギャラリーが集まってくれてはいたものの、演者も観客も大変な思いだった。やばい空模様なのではらはらしながらも、初めて「どんどこしょ」を見るベイタウン中年バンドのメンバーは驚嘆の声を上げていた。凄まじいパワーだ。和太鼓の凄さを改めて知った。観客もいつの間にか増えてきた。どうせだったら、ちゃんとしたステージでやってもらいたかった。

午後からも雨が降ったりやんだり。それでも急造の特設ステージでの演奏を続ける。特設と言いながらも、雨が吹き込んでくる、決して良い環境ではない。それでも、登場してくれる方々は、皆さん一生懸命やってくれた。澤田さんのチームは、本格的クラリネットとフルートのクラシック演奏。澤田さんは、キーボード。これはなかなか良かった。清水さんのウクレレの響きも新鮮。と、まあ、このあたりまでスケジュールをこなしたが、その後は、ドラムの入るロックグループの登場。京葉プロジェクトさんとは、これからどうする、などと打ち合わせをしている時、にわかに空が明るくなり、雨もやんだ。チャンスは今だ。慌てて全員で本来のステージに到着する。急遽セッティングして、次の出番の高校生バンドに登場してもらう。その次が我々だ。結構ビールなどを飲んで、最高潮。

ここで再び雨が降ってきた。とにかく、我々は、急いでステージに上り、調弦などを手っ取り早く済ます。意外にも、すぐに音が合う。雨は次第に激しくなってきた。それでもギャラリーは、ずっと見守ってくれている。よし、今だ!山口のドラムがリズムを刻む。間髪を入れずズッキーの歌、植ちゃんのギター、私のベースと、一緒にスタート。1曲目の「Rock Around The Clock」。いいノリだ。雨はだんだん酷くなってくる。ステージのすぐ下では、ベイタウンニュースの浜田さんが、デジカメを持って応援してくれている。とにかく、1曲目は、無難に終了した。久々のライブは気持ちがいい。MCを挟んで、次は十八番の「新検見川ブルース」。人前でやるのは、10年ぶりだ。前回はパーカッションが入っていなくて迫力不足。今回は、山口のドラムに助けられ、完成度は高い。やっぱ、ドラムが入るっていいよなあ。しみじみ。

この「新検見川ブルース」は後々凄い評判になった。段々強くなってゆく雨の中、雄たけびに近いボーカル。嵐を呼んだ感じだ。最後の「Smoke On The Water」では、更に雨が激しくなる。全員びしょびしょになった。ベースの弦が濡れてまともに押さえられない。ドラムは叩く度に水しぶきが上がっている。そこで、エンド。京葉プロジェクトのスタッフが慌てて飛んできて、すぐに音響機器にビニルシートをかけた。司会のぶよさんが、コンサートの中止を宣言する。

さて、ここで問題発生。次のあきぼさんのステージが無くなってしまったわけだ。無常にも雨はどんどん降りしきる。彼女らは折角ステージ衣装を身にまとい、やるき満々なのだが。しかも、大応援団も来ている。だが、天候には勝てない。仕方ない。とにかく、帰って頂くことになった。天候のせいにすれば、いくらでも言い訳は出来る。しかし、彼女たちの気持ちを考えると、もう少しなんとかしてやりたい気持ちもある。この日の為にあきぼさんは、ギターまで新調しているのだ。

我々は、あきぼさんを丁重に見送り、片付けに入る。なんとなく、後味が悪い。それに引き換え、街の皆から我々のステージを誉めてくれる声が相次いだ。割り切れば、良い。そうも思ったが、このコンサートの原動力になった彼女のことが、気がかりである。その後、自治会連合会と、我々のバンドの合同バーベキューとなった。会場はライブをやった広場。シニアのレディーの方々がズッキーの歌声に合わせて激しく踊っていたと身振り手振りで語ってくれた。黄色い声(?)で、「ベイタウン中年バンド、さいこーっ!」と叫ばれてしまった。ちょいと照れる。自治会連合会の方々も「いいね!」と言ってくれた。かなりいい気分。小雨に濡れながら焼肉を食べる。ズッキーはバーベキューをやっている間もあっちに行ったり、こっちに来たりと、ちょこちょこと動いていた。非常にこまめだ。

夜になって、雨はあがった。我々はその後もぐちゃぐちゃになった広場でビールを飲んいた。久々のバンド。バンドっていいよな、などとずっとずっと叫んでいたような気がする。中年おやじの道楽っていえばそうかもしれないけれど、その後ベイタウンの色々なお父さんを巻き込んで増殖するベイタウン中年バンドはこのときに産声を上げたのである。午後7時過ぎには、迫力満点の花火が夜空を彩る。この花火は佐藤さんと吉識さんの力で実現した。火の粉が落ちてくるような近くで見ることができた。

(続く)

しばざ記207 (2007年3月9日 記)
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