ブレッド&バターのコンサート 話題作「海岸へおいでよ」は心地よい湘南サウンド! |
|
|
|
|
|
海岸へ続く小道をブレバタの二人が歩いているというシチュエーション。こういう風景って好き!! |
|
|
9月8日(土)、台風一過の物凄くいい天気。ちと暑くなり過ぎだったけれど、新橋のヤクルトホールでのブレッド&バターのコンサートに行った。阿里耶さんのプロモーターの小島さんからのご招待。ブレバタのコンサートは初めて。ブレバタには今まで何故か縁が無くて、ライブにしろレコードも聴いたことが無かったのである。歴史のあるユニットなので、どこかでちゃんと聴いておかねばならなかったと反省。例の大竹さん(何度もお名前出してすみません)が絶賛するブレバタだけに期待は高まる。
土曜日だし、暇も出来たのだが、せっかく電車賃を払って新橋に行くからには別の用事も作って海浜幕張を早めに出た。が、その用事がいとも簡単に終わってしまい、開場まで1時間半を新橋で過ごすことになる。これは困った。喫茶店で暇つぶししようかと思ったが、新橋駅から汐留のシオサイト(新都心)のビル群が突然視界に入り、あ、そういえば、シオサイトには行ったことが無かったっけ、と物見遊山で出かけてみた。
シオサイトは場所は国鉄の汐留操車場の跡地で、隣接した海岸通りなどは以前しょっちゅう走っていたものの、シオサイトが出来てからはさっぱり来なくなった。こんな立派な都市が出来てしまうなんて、驚き桃の木である。更に驚いたのがヤクルトホールのすぐ裏手がもうシオサイトなのだ。今までヤクルトホール、つうか、ヤクルト本社は辺鄙なところに建ってるなあと思っていたのに、今や、トレンディな場所に大変身なのである。(ヤクルト本社が変身したわけではないけど。)
|
|
|
|
(上)ヤクルトホールの前に集まったブレバタのファン。小島さん曰く、「昔の少女」が多かった。
(下)第一京浜での事故の実況見分。トラックと乗用車の事故だ。 |
|
|
|
シオサイトの話はまた別のページに書く。夕刻5時。ヤクルトホールに行く。入場待ちのお客さんが歩道に溢れている。やはり大御所のコンサートだけにお客さんも多い。しかも、ちょうどそのまん前で車両同士の交通事故があり、実況見分が行われている。双方とも怪我は無さそうだが、そういう状況の場所での事故は起こしたくないもんだ。
小島さんはすぐに私を見つけ、手を振ってくれた。開口一番、「いやあ、この事故をもろに見ちゃいましたよ。これだけの人ですからねえ。もう凄い騒ぎ。」と言う。小島さんは奥様を同伴していた。いや、奥様のお美しいこと。まじで。さすが業界人。思わず、モデルさんですかと言ってしまった。
小島さんに、外で簡単にブレバタに関する予備知識を授けてもらったり、阿里耶さん関連の話をしたり小一時間ほど過ごして、やっと入り口付近が空いてきたので、私も入場。全席指定なのに、お客さんの出足は早いのである。殆どがご夫婦で来られている。年齢は私よりも上の方々だ。もちろん若い方も見受けられる。昨年行った、あるGSのコンサートよりも世代は若い。当たり前か。
午後5時40分頃、ブレバタの2人が登場して、アコギ2本で静かに演奏を始めた。ハイトーンのハーモニーが美しい。もう結構なお歳だから、ドスの効いた声か、逆に枯れた感じか、と勝手に想像していたのだが、その逆で、「コブクロ」か、と思われるような若々しいサウンドなのだ(例えが適切かどうかわからないけど。すみません。)。そして、簡単なMCが終わると、後ろの幕が左右に開いて、バックバンド登場。最新アルバムのタイトル曲である「海岸へおいでよ」(松任谷由実)が始まった。
いやいや、実にいい。さすがユーミンというような爽やかな曲だし、ブレバタのお兄さんの声質にマッチしている。もちろんハモリもグー。この新アルバムは、ユーミンをはじめ、加藤和彦、かまやつひろし、小椋桂、森山良子がブレバタに楽曲を提供している話題作。ブレバタ自身の曲もなかなかだし、次々に演奏する曲全てが耳に心地よい。大竹さんが絶賛するだけのことはある。それに大物アーティストから楽曲をこれだけ提供されているということだけとっても、ブレバタの存在の凄さがうかがい知れる。
ブレバタのお兄さん(幸矢さん)がMCで加藤和彦のことを「加藤君」と言って、途中で「加藤さん」と言い直したことから、あ、すげぇ!と思ってしまった。加藤和彦は私がまだガキだった頃、「帰ってきたヨッパライ」とか「イムジン河」を歌っていた大御所中の大御所。その後、「サディスティック・ミカバンド」で、という具合に時代が変わっても常に活躍されていた。その人を「加藤君」と呼べるんだ。なんとすげぇことか(私、大ファンです!)。もちろん、ムッシュかまやつも、ユーミンにしたって、凄い人たちなのだけど。
|
|
|
|
|
2006年のライブ(DVD)より。
雰囲気はこんな感じだった。 |
|
|
ムッシュの「二人のメロディ」もいい感じだった。ムッシュが「ブレバタはもっと簡単な曲で、アタマっからハモったほうがいいよ。」みたいなアドバイス付きで提供した楽曲だということ。ブレバタのハモリの良さを最大限に生かした作品だ。ちょっと今どんなメロディラインだったか思い出せないけれど、ふわっとしたメジャーセブン系だったと思う。
森山良子の「ワルツ」という曲はキーボード氏がアコーディオン、ギター氏がマンドリンに持ち替え、更にチェロも加わった夜想曲のような雰囲気。MCで「大人の雰囲気」と紹介されたが、むしろ大正ロマンという雰囲気だった。こういうアレンジは猛烈に好きだ。そのほか、全ての曲が好きだったし、私如き昨夜初めてといっていいくらいのブレバタに関して浅薄な知識しか持たない者の解説では説得力が無いので、音楽的な内容はここまでにしておく。
コンサートは2時間強、たっぷりと聴かせてくれた。大満足。ロビーで、小島さんが、「凄いでしょ。あれで62歳なんですから。」と言った。ええ???まじで???とびっくり。あんな若々しい声で、しかも、サウンドというか、感性も若々しいし。声だけ聞いてると二十代が歌っていると思うくらいなのだ。ただ、彼らの凄いところは、「どうだ、俺だってまだまだ若いんだそ。」的な、年齢の凄さをアピールしているのではなく、今の時代に、平気で若い世代と戦うくらいの音楽性をきちんと維持しているのである。ポールマッカートニーがいつまでも若々しい声を聴かせてくれるのに似ている。
それから、ブレバタの二人に加え、バッキングの6人中3人が湘南出身で湘南在住ということらしい。本物の湘南ボーイ、湘南サウンドなのだ。1970年代の数年間、彼らは「カフェ・ブレッド&バター」というライブハウスを運営していたらしい。その頃の思い出話なども聞けて、そういう人生が送れた彼らがちょっと羨ましかった。「海岸へおいでよ」というアルバムはジャケットからしても、かなり湘南を意識したつくりになっている。
2007/9/9
しばざ記 296 |