「俺たち2」管理人による戯言
日記でもない、コラムでもない、単なる戯言。そんな感じ。
筆者は幕張ベイタウン在住のおやじ。結構、歳いってます。はい。
しばざ記
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「ちょっとだけスリラー(小説?)」
はっきり言って時間つぶしのゴミネタ。
どうしても時間を持て余してしょうがねえ、という人だけ読んで。


約一年ぶりに帰国した俺は、誰にも会わずに2、3日都内のウィークリーマンションで過ごした。しかし、どういう手段で俺の居場所を探したのか、親友の西村からそのマンションの管理人経由で俺に連絡が入った。あまり人に会う気にはなれなかったが、どうしても話がしたいということで、彼の家へ行くことになった。もうひとりの親友の滝口も来るという。西村と滝口、そして俺の三人は学生時代からいつも一緒だった。もう三十路が迫ってきているが三人とも独身だった。そして三人ともマドンナの圭子に恋をしていた。

連絡のあった二日後、俺は電車に乗り幕張までやってきた。晩秋の雨の降りそうな土曜の夕刻だった。海浜幕張という駅で降り、とぼとぼと歩くと海沿いに比較的新しい街がある。幕張ベイタウンという洒落た雰囲気のマンションが建ち並ぶ街だ。その一角に西村の住まいがあった。オートロックになっているし、建物の内部は複雑になっているので、俺は迷子になってしまった。廊下をうろうろしていると、正面のドアが開いて、俺より先に来ていた滝口が「こっちこっち」と叫んでいた。

俺は滝口に案内され、高級家具が置いてあり、高級な絨毯が敷いてある西村の住まいの居間に通された。裕福な生活をしているのは一目瞭然だった。都内でひっそりと暮らしている俺とは雲泥の差だった。

「久しぶりだな。ロンドンはどうだった。」西村がうっすらと笑みを浮かべて俺を見た。
「どおって、まあ、面白くもなく、つまらなくもなく。それなりの成果はあったけどな。」と俺はしかめっ面をした。そういう話の展開になるとは分かっていたものの、海外のことを話す気にはなれなかった。

「それより西村、話って何なんだい?滝口はもう聞いているのか?」と俺は西村の注いでくれたビールを飲みながら滝口を見た。
「いいや、俺もこれから聞くところさ。さ、早く言えよ。ひょっとして、ひょっとしたら、おまえ、まさか、圭子ちゃんと。」
滝口は西村を見てにやにした。

「その通りだ。二人に黙っていて悪かったけれど、実は1年前に俺達は結婚したんだ。」と、低い声で西村は言った。その顔つきはかなり深刻そうだった。
「なにぃ、け、結婚だとぉ。この野郎、よくもぬけぬけと。俺達を出し抜いたな。何故早く言ってくれなかったんだ。水臭いじゃないか。それに、海外に行ってた今川は仕方無いにしろ、俺に報告が無いというのはどういうことなんだ。」と、滝口が猛烈に憤慨した。かなり悔しそうだ。

「二人とも許してくれ。これには深い事情があってな。悪いとは思ったけれど、内緒にしておきたかった。特に、本来なら一番彼女と結婚してもおかしくなかった今川には申し訳なかった。君が海外に行くことをいいことに、彼女にアプローチしたんだ。俺を許してくれるか。いや、許さんだろ。」
西村は頭を深々と下げた。

「そうは言ってもさ。都内で何度も会ってただろう?結婚式に呼ばなくたってさ、せめて渋谷の良く行ってた店、えーとなんだったけな、そう、花村。花村で宴会くらい出来ただろうよ。なあ、今川。」
滝口は興奮しながら俺に同意を求めた。
俺は放心状態だった。適当に相槌を打ったものの、ショックだった。俺は今でも圭子を愛していた。

滝口は困ったような顔をしていたが、「しょうがねえな。ま、少なくともこの三人の中から圭子ちゃんを娶った奴がいたわけだ。また四人で仲良くやれるさ。」と笑顔を取り戻した。
「ただ、そのぉ、ちょっと言い難いんだけれど・・・。」と西村が口をもごもごしていたその時だった。急に滝口が大きな声を出した。

「おいおい、今、窓の外を圭子ちゃんが通ったよ。こっちをちらっと見て笑って。いきなりびっくりするなあ。あ、圭子ちゃんじゃなく、奥さんか。悪い悪い。ちっくしょうっ、うまいことやりあがってさ。」
滝口は自分の後頭部をぺんぺん叩きながら笑った。
西村は少しうつむき加減で黙っていた。
少し、沈黙が訪れる。
「あれ、圭子ちゃん、遅いな。なんで入ってこないの。西村、俺達が来ることを言ってなかったのか?」滝口が不機嫌そうに言った。
「待てよ、滝口。錯覚じゃないのか。」
俺は叫んだ。

何故なら、ここは5階の筈だ。窓の外を人が通れるわけがない。
「まじかよ。滝口、冗談はよしてくれ。そりゃ、俺が抜け駆けでさ、まあ悪いことしたからって、なんでそんな嘘をつくんだよ。脅かすなよ。」
今度は西村が滝口を睨んだ。
更に、「け、圭子がここに居るわけないだろ。そんな嘘つかなくてもいいじゃないか。」
西村は泣きそうな顔をした。

滝口は真っ青な顔をしていた。そして、がたがたと震え出した。
「そうだよな。ここは5階だ。そうだ、そうだ、空中を歩くなんて、いくら彼女がぶっ飛んだ性格してたって出来ることじゃない。い、いや、しかし、確かに見たんだ。あれは圭子ちゃんだった。しかも、物凄く悲しそうな笑みを浮かべていた。今川は見てなかったかい。おまえの角度だったら見えた筈だ。」
「俺は見ていない。きっと滝口は熱があるんだろう。このところ寒い日が続いたからさ、な、風邪でも引いたんだ。そうだろ?」と俺は答えた。

「そ、そうだよ。きっと見間違いだ。い、いや違う。はっきり見たんだ。見間違えるもんか。でも、でも、あれは人間の顔じゃなかった。待てよ。そんな。そんなばかな。あれは死人だ。死んだ人の顔だ。圭子ちゃんは死んだのか。いや、そんな。おい、西村。確かに圭子ちゃんと結婚したんだな。じゃあ、どこにいるのだ。彼女はどこだ。隣の部屋か。」
「落着け。」俺は動転している滝口の肩に手をかけた。

続きはまた電車の中で・・・。


*   *   *



この物語はフィクションです。

ところで、男性用ブラが人気っていうのは本当のことなのか。

どういう効能があるんだっつーの。薄気味悪い以外の何物でもないんだけどなあ。知人に男性用ブラの愛用者がいたらショックだな。


2008/12/26
しばざ記 610 (ブログ版
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*   *   *



おまけ(小ネタ・・・)


今年もまもなく終わる。早いもんだ。あっと言う間。まだ8月くらいの気分でいるのに。(苦笑)
12月26日。いや〜、実に寒い。
幕張の海は北風がびゅーびゅー吹いて白波が立っている。
遠くに見える富士は頂上付近が白雲に覆われている。




おまけ(2)

バレンタイン通りは消えず] [今夜はケンタッキー]  [船橋ヘルスセンター
ブログのこぼれネタ。バレンタイン監督が来期いっぱいで解任というニュースはちょっと寂しい。
2009年はなんとか優勝してほしいもんだ。
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